1960年代 映画について

「サウンド・オブ・ミュージック」(1965)

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「サウンド・オブ・ミュージック」(1965)

監督

ロバート・ワイズ

キャスト

ジュリー・アンドリュース(マリア)、クリストファー・プラマー(ゲオルク)、エリノア・パーカー(エルザ)

 

60年代に入り、ミュージカル映画の製作本数は激減した。しかもそのほとんどがブロードウェイ原作のもの。

40年代から50年代にかけて映画オリジナルのミュージカルと共にブロードウェイ原作のミュージカル映画は製作され、ハリウッドとは蜜月関係にあったが、60年代に入り映画産業の衰退やスタジオシステムの崩壊などによってボックスオフィスサクセスが確実なブロードウェイ原作のミュージカルに製作が集中するのはあまりにも合理的すぎる。

 

だから、60年代以降本数の減ったミュージカル映画のわりには、名作と言われるような映画が多く見られる。もちろんこの映画もその一つで、ミュージカルも映画も嗜んでいないお方でもほとんどの曲は聞いたことがあるだろうというくらいに我々小国市民にまで浸透している。

 

ドイツによるオーストリア合併及び第二次世界大戦前夜のサルツブルグが舞台の実話もの。戦後の戦中映画で、これほどにオーストリアのイメージアップに貢献した映画はないが、言わずもがな製作国はアメリカなのだ。

 

ノルタルジーをなくし始めていたこの時代のミュージカルだが、夜に広大な庭の中で男女が向かい合うときには、古き良き伝統的なハリウッドのライティングが彼らをスクリーンに浮き立たせている。

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