1950年代 映画について

「巴里のアメリカ人」(1951)

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「巴里のアメリカ人」(1951)

監督

ヴィンセント・ミネリ

キャスト

ジーン・ケリー(ジェリー)、レスリー・キャロン(リズ)、オスカー・レヴァント(アダム)、ニーナ・フォッシュ(ミロ)

 

名作中の名作だし、世間の評価をそのまま鵜呑みすることの危険性に敏感でいようとしている僕でも、やはりその評価に値するくらい素晴らしい映画だと思う。

 

ジーン・ケリーにレスリー・キャロンという大好きな俳優の共演。「パリでミュージカル撮ったらこうなるよね」っていうアメリカのアホらしいほどに大胆なエンターテイナーぶり(これがフランス側の嫉妬心につながり、「シェルブールの雨傘」や「ロシュフォールの恋人たち」が生まれる)。後半に怒涛のようにスタイルを盛り込むヴィンセント・ミネリの演出。そして、レスリー・キャロンに振られてふて腐れたジーン・ケリーが、その空白を埋めるためにパトロンのニーナ・フォッシュを感情のままに誘う仕草、シーケンスがとてつもなくエロい。僕はこのエロさゆえにアステア派ではなくジーン・ケリー派なのだが、この映画でのこのシーケンスは、おそらくジーン・ケリーのフィルモグラフィの中でもずば抜けてエロいのだ。

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