踊る結婚式(1941)
監督
シドニー・ランフィールド
キャスト
フレッド・アステア(ロバート・カーティス)、リタ・ヘイワース(シェイラ・ウィンスロップ)、ロバート・ベンチリー(マーティン・コートランド)
リタ・ヘイワースはフォックスからコロムビアに移籍し、ドドドドッとスターの階段を駆け上がり、40年代のセックスシンボルになった。同時代にはラナ・ターナーというセックスシンボルがいて、50年代にはマリリン・モンローが彼女らを引き継いだ。ただ、リタ・ヘイワースがその二人と大きく違ったのは、後述の二人が白い天使だったのに対し、彼女が黒い妖婦だったことだろう。
この黒は、彼女の出世作「ギルダ」(1946)の黒のストラップドレスが彼女にもたらした色だ。そしてその5年前。この映画の中でも、彼女は美しい黒のドレスを身に纏っていた。
この衣装をデザインしたのは、フリー時代のアイリーン・レンツ。彼女の冷徹さが詰まったシンプルで見事なこのブラックドレスは、リタとアステアのダンスシーンでの慎ましげなスカートの動きが素晴らしい。
というわけで、この映画はそのスカートの動きだけを見れば十分だ。というか、他にはあまり見所は正直ないかなという感じか。