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Carven 「Ma Griffe」

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Carven 「Ma Griffe」

トップノート : ガーデニア、シトラスノート、ガルバナム、アルデヒド

ミドルノート : ジャスミン、ネロリ、スズラン、ローズ、イランイラン、アイリス

ラストノート : スティラックス、オークモス、サンダルウッド、シナモン、ベンゾイン、ラブダナム、ベチパー

 

調香師 : ジーン・カルレス

 

限りなく透明に近いドゥース(甘さ)というべきか、ヘルシンキに浮遊するマケアとでもいうべきか。とにかく、「私のサイン(かぎ爪による傷跡/インデックス)」とフランス語で命名されたこのフレグランスに、フランスの景色は一切と言っていいほど入っていない。

 

トップ

トップノート。シトラスやベルガモットといった柑橘系の香りにガーデニアが混ざることで、澄み切った甘さが鼻の上から抜けていくような感覚になる。そこには、痛みを伴うようなインデックス性(森山大道的インデックス)は一切ない。

ミドル

ミドルに入り、ジャスミンやイランイランやローズといった清楚な甘さが上手く匂いの中で抜け始める。それは、トップノートで香ったシトラス感が皮質部分へと吸収された甘ったるい球体の中心部にいるといった趣だ。

ラスト

ラストノートは、球体の中で浮遊していた気分が、突然しっとりとした重力を持ちはじめ、ものすごく安定して落ち着いた場所へと終着する。

 

ギョーム・アンリによってリニューアルされたボトルやイメージは、恐ろしいほどにこの匂いの感覚を掴んでいる。しかし、ラストで感じるわずかな肉感は、どちらかといえばプレヴィオスボトル/アドヴァタイジングイメージを喚起させる部分もある。

 

 

 

 

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